あこがれのヒト

pinnaの憧れのヒトのお話。
近所のパン屋のオジサンは職人気質の頑固者っぽいお人柄。口数少なくて黙々と朝3時に起きて昔ながらのパンを焼き、売り切れちゃったらサッサとお店を閉めてしまう。でも、大型店におされて商売続くのか結構心配していた。
父はそんな個人でやっているお店を応援したいと足繁く通っていたのだが、ある日お店を休業。リニューアルすることになった。
名前も改め、オープンしてからは娘さん(といっても私より年上っぽいけど)がレジに立つようになった。
パンの種類もちょっとかわって、色々アレンジされたフランスパンや酵母で発酵させたパンなども並ぶようになり、かなり人気が出てきたもよう。日曜日に買いに行ったりすると後ろの棚に予約分のパンのメモが所狭しと貼られている。(^^)v
もちろん、我が家も予約いれている。3斤分で1本の食パンを2本!!
(ちなみに私は今のところ朝食は和食党なので食べてない)
それは何せ長いので、父が散歩がてら歩いて取りに行くと、持って帰っている間に焼きたてのフカフカが潰れてしまってショックなことになる。前出の通り、父は手作り大好き派なので、この度も段ボールを折ったものを2つ繋げて食パン2本がちょうど収まるボックスを作ってしまった。それをこれまたピッタリの大きさの手提げに入れて行くといい感じ。
さっそく持って行くと、「まあ!すごい。ちょうどピッタリ!これ、作られたのですか?」ってきかれたので、父は恥ずかしくなって「これは娘考案、制作です」と大ウソをついた。
ちょっと待ってよ。娘って私じゃん。(^^;
それから1ヶ月ほど経ったある日、お天気もよく温かかったので、おばあちゃんを連れてパンを車で買いに行った。
おでかけしようと言うと、すぐに着替えて私の車に乗ってしまったので急いで出たら専用の箱を忘れてしまった。でもあれは私が作ったことになっているからね。まあいい。忘れたくらいが調度いい。
しかし、そんな悠長なことを言ってる場合ではなかった。予約しているんだから私と父の関係はバレバレである。
「今日は箱をお持ちじゃないんですか?ワタシ、あれ、すごく感動しましたっ。あなたが考えて作られたんでしょう?すばらしいわ~!もう、2本がピッタリ入って!」って、マジに感心している・・・。
ぎゃあ~!!!そこまで言う?
仕方がないので「そうですぅ。恥ずかしいわ」とだけ言って帰ったが・・・。
お~と~さんはぁ~っ!もぉ。自分だけカッコつけて。
それ以来、常連中の常連であると共に箱の制作者である私が行くといつも思いっきり快く応対してくれて相変わらず箱を褒めてくれる。
でも、実際のところ、憧れているのはこのヒトなのです。
話によると、自分の父のお店を継ぐためにホテルのレストランにパンの修行に行ったら、女性ということで何年経ってもメインでパンを焼かせてもらえず下働きばかり。でも、同じ職場の一番の腕利きパン職人が一生懸命働く彼女の姿に惚れて結婚。
それからも子供ができるまでは2人でそのレストランに勤め、この度ホテルからも祝福してもらってのリニューアル開業となり、家は継げるは孫はできるは・・・もう、万事めでたし、めでたしってわけ。
我が家ではpinnaも彼女に続け!で「ホテルの厨房で働いてこい」と背中をおされている毎日なのだ。
(そうそう上手いこといかないってばっ!)

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