昨日は「父の日」。
可愛い子供にパパの似顔絵をプレゼントされて至福の時を過ごしたお父さんも多かったのではないでしょうか。
保育園に通っていた頃のこと。
父の日に合わせてでしょう、園児達はそれぞれの父親の似顔絵を描いていました。
たぶん先生に「みんなの大好きなお父さんの顔をよーく思い出して描きましょう」とか言われたのでしょう。当時、私はお絵かきが好きでしたがお家の横に立っている女の子だとか、お姫様が得意だったので「これはいつもの”お人形さん”のような絵じゃなくて、ちゃんとしたパパの顔を描かなきゃダメだ」とクレヨンを持ち考えました。
父のことを背が高くやせていて、外国人みたいに鼻も高くてカッコイイと思っていたのでそれを表現しなければ!!
よーく思い出しながら顔は太ってないから丸じゃない長丸だ・・・。
メガネをかけて、目は優しく。
髪の毛は黒くていっぱい。(←髪が多くてクセ毛)
お父さんの鼻は高いから・・・でも、「く」の字に描く鼻はお人形さんみたいだから違うなあ。ちょっと行き詰まる。
ふと、正面の友だちの鼻を見ると
はは~ん、鼻の穴が二つあいている。ん?
はっ!そうか!!人の鼻には穴が二つ!!!!!!
閃きが走った。
私は小さいからいつもパパを下から見上げているのでそんなの当たり前のこととは言え、それを絵で表現することを始めて気が付いた。
高い鼻を表わすには鼻の穴を・・・グルグル、グールグルグル塗りつぶして真っ黒に。
それからニッコリ笑ったお口を描いて、
そうだオヒゲも描かないと。
パパはオヒゲをのばしてないけど、頬ずりされると猛烈にチクチクして痛い。柔らかい子供の肌はミミズ腫れになりそうなほどだ。
口の周り、アゴ、頬に黒いクレヨンで盛大に点々を入れた。テンテン、テンテンテン、テンテン・・・。
上出来だ!
パパにソックリだ!!
そして参観日当日。
よそのお母さんが入ってきて私の絵を見て「まあ、すごい鼻の穴!!」と二人顔を見合わせて笑った。
他の子は誰も鼻の穴の存在に気が付いてない、私だけちゃんと描いたのに・・・少々ショックだった。
私の母が来た。手放しで誉めてくれると思っていたが口から出た言葉は
「まあ、すごいヒゲ描いたわねえ・・・。」
ガーン!!
父がヒゲが濃いのを気にしていたから絵を見て傷つかないかと思いやってのセリフかもしれないが、子供心にショックを受けたのは否めない。小さな子供は何をしても誉めてもらえる。私は「上手!パパにソックリね」という賛辞の言葉以外想像してなかった。せめて父だけは「よく特徴を捉えて描けてるなあ!」と喜んでくれたと記憶を捻じ曲げてでも信じたい。
それ以来、小学校、中学校と似顔絵を描くことになると思い出し鼻を描くのに苦慮することに。
鼻の描けない女になってしまいましたとさ。