子供の頃はそうやって騙されたにも関わらず、実は私はかなり味覚が発達している。
母が料理上手の上に、安全な材料で手作りの料理やお菓子を作ることをモットーとしていたお陰で、その影響力が強くて栄養士の仕事についたこともある位。(というのも今は違う仕事をしているので・・・)
一方、両親はどんどんそれがエスカレートして、今では広い野菜を作る畑と無花果の畑を自由に作らせてもらっている。両方とも他人の土地っていうところがなんとも世渡り上手?
というわけで、家族や職場や友達から信頼されて(?)いて”傷んだ物”もしくは”そのおそれのあるもの”を見分けるようによく頼まれる。
まだ会社の勤務が交代制で休みをとっていたある日のこと、休み明けの出勤すると、後で私に調べて欲しい物があるという。
昼休みになりお弁当を食べ終わるや否やすでに封を切ったお菓子の袋を出して「これ、食べてみて」
朝から「調べて・・・」なんて言う位だから、何やら不穏な空気を察知(っていう程のことでもナイか?)して出す手が鈍る。
食べる前に説明を求めると、昨日の朝、某コンビニで買った某大手お菓子メーカーの新発売のクッキーを、お昼にみんなで食べたところ、その内2人がお腹が痛くなってトイレから出られなくなったのだそうだ。
何しろ新発売で初めて食べるので、変質しているのかどうか比べようがない。本人いわく「何か変な味がするような気がした。」のだそう。
そんなもの、私に黙って食べさせようとするな~っっ!
物騒な物は返品するに限る。
さっそく、一人が(会社の社名の入った)便せんをいつになく身軽に動いて取ってきた。
そのお菓子をただ一人食べていない私に「苦情の手紙」を書けというのである。
渋々書いたよ。
「・・・貴社の製品を食べた3人の内2人が腹痛を起こしました。共通に食べたのは××のみで、他に原因になるようなものがなく・・・封を切る時、包装に欠陥があったような気が致します。・・・原因を調べてください。」
というような内容の手紙を書いて、お菓子の残りと袋を同封した。
みんなは「自分が書いたら、もっとキツイ書き方しか出来ない。よくそんな柔らかい言い方で書けるわね。」とか「さすが~」とその時は大絶賛してくれたのだ。
切手代は袋に「不良品は返品して下さい。送料は弊社が負担します」とあるので、とりあえず私が負担することになった。
すぐに休憩中に近くのポストに投函に行って一件落着!
1ヶ月程経ってからか、1箱の小包が来た。
その会社から「商品に不備はない」という結論の手紙とカレーやお菓子を詰め合わせてあり、切手もちゃんと入れてある。
お菓子はみんなで山分けだ。
それ以来、何かというと「ホラ!またこのお菓子は腐ってるって脅迫状書いて、山程お菓子の詰め合わせを送って貰え!」などと苛められるの。
関係なかったのに無理やり書かせておいて脅迫状だなんて、よく言うわ~。