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見てはいけないモノ

わたしが今の会社に就職した時に、同期の女の子で高校を卒業したばかりのこがいた。
もう一人の先輩の女の子と3人で、毎月お給料日にはお食事にでかけていたの。その日も、さっそく車に乗り合わせて出発した。

私の車の助手席に乗ったSちゃんは、荷物を後ろの座席に置くために振り返った。
すると、目にとびこんできたのは見てはならぬものだった。Sちゃんは緊張の為、どうしていいかわからなくなって言葉少なにうつむいたけど、頭の中は高速回転だ。

Sちゃんは「カレシ」(注;シのイントネーションは下げない)とか「恋人」という話題に興味津々のお年頃で、年上の男性、女性を問わず誰にでもまさに直球ストレートで「○○さんは××さんのこと好きなんですか?」とか「2人はどこまでいってますか?」と一応敬語を使いつつもかなり踏み込んでくるのでおネーさん方はタジタジ。ひとりだけ妙に情報通になってる。
そんな彼女も思わず「あれは・・・っ!」ときけなかったモノとは???
それはピンクのレースのパ○ティ!

その頃、わたしはまだスキューバ・ダイビングを始める前で日に焼けるのを気にしていた。
(今の車は全面紫外線カットだから思う存分腕を出せるけどね。)
特に車での通勤が1時間近くかかるから、右手だけ焼けて左右の色が違ってしまうのがイヤだったから運転用に売られていた肘まである手袋を買った。

でも、それって結構恥ずかしい。それに面倒くさい。
数回使ってからは、よっぽど天気が良くて長時間運転する時以外は使わなくなった。いつもはすぐ手の届く助手席に置いて(投げて?)いたんだけれど、その時はSちゃんが乗るので、後ろの席に運転席から投げていたのだった。
その手袋が上手い具合にかたまって、下着に見えたというワケ。

1年以上経って、数人でおしゃべりをしていた時に、たまたま運転中の日焼けの話になって誤解に気が付いたSちゃん。
「もう。私は車の中にどうして下着が落ちてるのかと思って、え~っ!?車で何したんだろうっ???ってイロイロ考えちゃいましたよ~っ!!」って大笑いしていた。

ふぅ。・・・誤解が解けてよかった。

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