4歳の甥はサンタさんは本当にいると信じている。 
早くからサンタさんは「××の合体ロボとー、ボンバーマンの○○とー、△△とー・・・」と一生懸命に口を尖らせてプレゼントして欲しい物を順番に指を折り折り何度も繰り返し言っていた。 
そういうところは子供らしくてとっても可愛い。 
ただ、親の立場からすると、教育上財政上その全部を買って与えるわけにはいかない。 
しかも、ボンバーマンをくれるハズだった「みよし保育園のサンタさん」はカルタをくれたので、彼の中で大幅に予定が狂ってしまったようだ。 
あまりにも楽しみにしていたので、パパは可哀相になり「じいじ(おじいちゃん)サンタからやってくれ」とボンバーマンを買って持って来た。それは4体ある人形と乗り物がそれぞれ可動式になっていて合体したりと豪華版だ。 
プラモデル式になっているのでパパが組み立てなければならなかったのは誤算だったろう。 
その「みよし保育園」は偶然にも私の母校でもある。 
今でも覚えている。私が通っていた頃にもサンタさんが来てプレゼントをくれた。 
私は3〜4歳の間、保育園に通っていた。サンタさんについての最初の情報はおませな友だちの「サンタさんなんて、本当はいないのよ。あれはパパとママよ」というものだった。夢を見る前に事実を知らされてしまったのだ。 
私はそれまで存在すらよくわかってなくて「ふーん。サンタさんっていう人をみんないるって信じてるけどいないものなのか」と思ったものだ。 
でも、おゆうぎ室に続く渡り廊下にみんな並んで順番に一列になって入っていくとサンタさんが1人ずつプレゼントを手渡してくれている。列がだんだん前に進んでくると、どうもサンタさんがパパにそっくりに見える。 
私の番になってサンタさんが「はい」ってプレゼントをくれたけど、近くで見るとますますパパそっくり!!! 
「ありがと」と小さな声で言ってすぐに教室に戻ったけど、心の中は「あのサンタさん、パパだった!私のパパだった!」とプレゼントを貰ったことより、その事の方が重大事項だった。
父は役員かなにかでサンタ役を頼まれたのだ。 
我が娘が目をパチクリしてマジマジと見つめるのでさぞ困っただろう。 
もちろん迎えに来たママは「ふーん、サンタさんパパにそっくりだったの?」くらい。
パパもとぼけていたけどね。